10代女性の2021年上半期トレンド予測「呪術廻戦」、「あんスタ」、「NCT」、「ロングブーツ」…
トレンド要素は「聴感上のタレント性」と「非日常体験」/2020年下半期のトレンドランキングも発表
SNSトレンドとZ世代インサイトの研究機関「memedays(ミームデイズ)」は、このたび「10代女性の2021年上半期トレンド予測および2020年下半期トレンド」に関する調査を実施いたしました。
2020年上半期に引き続き、下半期も、新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の生活やマインドは大きく変化しました。その影響で10代女性たちの「感染防止に努めながら思い出を作りたい、日常に特別感を出したい」という欲求が生まれ、この半年間ならではのトレンドや、様々なクリエイティビティ溢れるSNSミーム(InstagramやTikTokなどで広がる投稿アイデア)が誕生しました。
[調査概要]
- 調査対象:15~19歳 女性525名
- 調査日:2020年11月12日
- インターネット調査
memedays(ミームデイズ)
SNSトレンドとZ世代インサイトの研究機関。InstagramやTikTokなどで広がる投稿アイデア=「SNSミーム」のトレンドを、生活者およびメディアや企業へ提供。
ウェブサイト:https://memedays.jp/
◆ 2021年上半期の10代トレンドキーワードを予測
2021年の10代トレンドとなるキーワードを予測するにあたり、10代女性が回答した「2021年上半期に流行しそうなもの」の中から、特に注目すべきものをmemedaysで選出。「芸能人・インフルエンサー」部門と「エンタメ・アイテム」部門でまとめました。
「芸能人・インフルエンサー」部門予測
アニメ「鬼滅の刃」で、主人公「竈門炭治郎」を演じている声優「花江夏樹」さんを選出しました。これまでも人気作に多数出演している有名声優ですが、現在10代の間で人気爆発中の「鬼滅の刃」、「ツイステ(ディズニー ツイステッドワンダーランド)」、「あんスタ(あんさんぶるスターズ!!)」の3作品に出演していることで、注目が飛躍的に高まっています。また、花江さん自身がSNSを積極的に活用しており、彼のパーソナリティに魅せられたファンも急増しています。
韓国のボーイズグループ「NCT」は、2016年のデビュー以来、世界的にすでに多くのファンを獲得していますが、2020年10月に日本人メンバーの「ショウタロウ」が電撃加入、12月からはグループのリアリティ番組が日本初放送と、2021年上半期は日本国内での人気が過熱することが予想されます。
「ゆたせな」、「ほのぴす」、「ヒヨごん」は、TikTokから誕生した新たなZ世代スターです。
カップルで活動している「ゆたせな」は、国外のSNSミームをいち早く取り入れたり、ダンスや歌を披露したりと、グローバルに通用する魅力と、ユニークな言葉づかいで人気を得ています。「ほのぴす」は、食レポを中心にトーク動画を投稿しており、特徴的なあざとい口調が魅力です。「ヒヨごん」は、カリスマ性のある自由奔放なキャラクターが人気を博しており、「第2のkemio」という見方も。YouTuberとして活動していますが、本人に代わってファンたちがTikTokに応援動画を投稿するムーブメントが生まれています。
ムービーネイティブとも称される10代は、ビジュアルだけでなく、その人が「声で何を、どのように伝えるか」という「聴感上のタレント性」に着目しています。Instagramに短尺動画機能「リール」が導入されるなど、SNSの動画シフトが進む中、この傾向は加速していくことが予想されます。今回選出したような聴感上の表現力がある芸能人やインフルエンサーの人気は、昨今注目される「音声コンテンツ」型の新たなSNSが、日本でも普及する追い風になるかもしれません。
「エンタメ・アイテム」部門予測
週刊少年ジャンプで2018年から連載中の漫画「呪術廻戦」を選出しました。2020年10月よりアニメ放送が開始され、早速Netflixでは国内総合TOP10入り。「鬼滅の刃」に続いてハマる10代が続出しており、この人気はどこまで広がるのか注目です。
ゲームアプリ「あんスタ」は、今年5周年を迎え、アプリとリアルで年間を通じたイベントが盛大に開催されており、Instagramでは「#あんスタ」が累計23.4万投稿、Twitterでは5周年展示会の開催が発表された10月26日に1.3万投稿されました。2021年はますます注目が集まると思われます。
ファッションでは、およそ10年前に一世を風靡した「ロングブーツ」×「ミニスカート」の組み合わせが流行の兆しです。2020年夏にZARAのミニ丈「#白ワンピ」がヒットした影響が大きいです。コロナ禍でおでかけする機会が貴重となる中、衣装のような感覚を味わえるSNS映えコーデは、もはやそれ自体が非日常体験として、より一層人気を集めそうです。
メイク関連では、マスク着用に最適化した「マスクメイク」がさらに進化する見込み。特に目元だけでインパクトを出せる派手メイクアイテムとして、「大粒ラメシャドウ」の人気が上昇中です。また、朝1回塗るだけでこすれても色落ちしない「落ちないリップ」は、もはやマストアイテムに。ヒット商品続々の予感です。
エンタメについては、「鬼滅の刃」の流行や、Netflixユーザーの増加から、アニメ好きな10代が増加傾向にあります。2021年も、アニメが10代に人気のエンタメを牽引すると予想されます。また、アイテムについては、引き続きコロナ禍ならではのマスクありきのファッションやメイク、非日常体験を演出できるアイテムの需要が高まりそうです。
◆ 「2020年下半期10代トレンドランキング」を、一挙公開!
続いて、2020年下半期トレンドを調査し、「SNSミーム」、「芸能人」、「インフルエンサー」、「エンタメ」、「言葉」、「アイテム」、「スポット」の7つの部門ごとにランキング化しました。
※前回調査結果)「現役女子高生の2020年下半期トレンド予測および2020年上半期トレンド」:https://memedays.jp/research/127/
「SNSミーム」部門 ~コロナ禍のクリエイティブな思い出づくり~
InstagramやTikTokなどで広がる投稿アイデア=「SNSミーム」のトレンドランキングでは、「あべのますく」が1位に。上半期、賛否両論あった「アベノマスク」はコロナ禍を象徴するアイテムのひとつですが、Z世代の間ではシールやペンでデコってオリジナルのマスクを作るのが流行。「思い出を作りたい」というモチベーションでSNSに投稿している10代 (※)は、ネガティブな出来事も、自分たちなりにポジティブに転換する力に長けているといえます。
※memedays調査参考…https://memedays.jp/research/417/
2位はチャイナ風の服装やヘアメイクで撮影し加工する「チャイナプリ」がランクイン。10代の間で流行している、いわゆる「ネタプリ」の一種です。Z世代は、プリクラひとつをとっても、単に「かわいい」だけでなく、「創造性」や「エンタメ性」を求めているといえます。
3位の「シャボン玉」は、夏の定番「手持ち花火」に代わる「エモ動画」のマストアイテムとして流行。コロナ禍で自粛ムードの中、「騒ぎすぎず、お金をかけすぎず、でも思い出は作りたい」という想いから生まれたトレンドです。
4位の「雲メイク」は、前回のトレンド予測で選出していた「フィルターメイク」(アプリのフィルター加工のようなメイク)の一種です。雲メイクに使用する『UZU』の「ホワイトアイライナー」は、アイテム部門の7位にランクインしています。
5位の「不仲説プリ」は、「ソーシャルディスタンス」をネタ化し、撮影時に仲のいい友達と距離を取って、「不仲説」と文字入れする遊びです。同じくネタプリ関連では、親指、人差し指、中指を丸く立てた「龍ポーズ」が9位にランクインしています。
その他、「推し事」や学校行事を盛り上げるアイテムとして「体育祭うちわ」、「透明うちわ」が流行。「フィルターメイク」としては「雲メイク」の他に「顔面シール」が流行し、友達と手形をとって動物やキャラクターに見立てて描く「手形アート」がトップ10入りしました。
「芸能人」部門 ~バイラルヒットを生んだアーティスト~
前回のトレンド予測で選出していた「NiziU」が1位に輝きました。6月のプレデビュー以降、爆発的に人気となり、国内外からSNSのフォロワーが急増。TikTokでの楽曲投稿数が12万を超えた「Make you happy」は、YouTubeでMVが1億6千万回以上再生されるバイラルヒットとなっています。このようにSNSミーム化した要因は、「縄跳びダンス」と称されるキャッチーな振付が覚えやすく真似しやすいことに加え、MVが公園や河川敷といった身近なロケーションだったことで、再現動画が作りやすかったことが考えられます。
2位の「LiSA」、3位の「YOASOBI」、5位の「北村匠海」については、ミュージシャンが一発撮りでパフォーマンス収録した映像を公開するYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の再生回数トップ3のアーティストです。今年大きな話題となり、登録者数が260万を超える「THE FIRST TAKE」。登場するアーティストはすでにメジャーシーンで活躍しているものの、このチャンネルに取り上げられた曲がバイラルヒットするようになり、大きな影響力を持っています。
「インフルエンサー」部門 ~Z世代のカリスマとバズクリエイター~
1位は、前回のトレンド予測で選出していた「しゅんまや」です。10代に絶大な支持を得ているABEMAのドキュメンタリー番組「今日、好きになりました。」で交際をスタート、今年4月に結婚と妊娠を発表し、7月に無事出産したことで話題となりました。大人世代からは様々な意見が飛び交ったものの、同世代からは多くの応援コメントが寄せられました。特にまやさんのInstagramアカウントは10代インフルエンサーの中では断トツの89万人というフォロワー数と高いエンゲージメント率を誇っています。3位の「山之内すず」さん、4位の「景井ひな」さんもZ世代のカリスマであり、TikTokをきっかけに人気を博しました。テレビに雑誌に、メディア露出が急増中の2人です。
2位に入ったのは、2人組YouTuberの「パパラピーズ」。コロナ禍におうち時間を存分に楽しむふたりの姿が10代に好評で、人気が急上昇しました。5位には美容系YouTuber「ひなちゃん5しゃい」がランクイン。パパラピーズとともに、今年の下半期は100万回再生超えの動画を連発しており、10代のトレンドを創りだすバズクリエイターとなっています。
「エンタメ」部門 ~おうち時間にTwitterでの推し事が大盛況~
2019年下半期のトレンドランキング「アイテム編」で1位だった「鬼滅の刃」が、劇場版公開に伴い世代を超えた社会現象となり、再び1位となりました。Twitterでの投稿数は直近30日間だけでも293万件に至ります。
2位の「無観客ライブ」は、コロナ禍で多くのアーティストが実施。中でも「嵐」と「BTS」が大成功を納めました。「#嵐の日」は1日の投稿数が驚異の115万件超え、Twitter世界トレンドで1位を獲得しています。このように、Twitterで推し事をするのが10代の特徴(※)です。
※memedays調査参考)「現役女子高生の2020年トレンド予測および2019年下半期トレンド」:https://memedays.jp/research/154//「10代女性のSNS利用実態」に関する調査:https://memedays.jp/research/459/
3位の「ツイステ」は、前回のトレンド予測にて選出していたアプリゲーム。公式Twitterは100万フォロワーを超え、Instagramの「#ツイステ好きさんと繋がりたい」は9.3万投稿まで伸びるなど、その勢いはとどまることを知りません。
「言葉」部門 ~TwitterとTikTokにおける汎用性~
2020年上半期のランキング「流行語編」で3位だった「〇〇しか勝たん」が1位に。推し(好きな有名人)をはじめ、好きなヒト・モノ・コト、どんな場面でも使える汎用性の高い言葉として人気を博しました。
2位の「全集中」は、エンタメ部門1位の「鬼滅の刃」のセリフです。Twitterでの投稿数は直近30日間だけでも10万件、1日に平均3,000件前後が投稿されているほどの人気ぶりです。
3位は「〇〇ニダ」がランクイン。「愛の不時着」や「梨泰院クラス」といった韓国ドラマのヒットの影響に加え、飴のASMRを投稿するTikToker「ショーリン」がよく使っていたことで流行したとみられます。
4位の「やりらふぃー」は、2016年にノルウェーの学生が作った「CHERNOBYL 2017」という歌のワンフレーズで、5位の「パフェいわし」は、2015年のかっぱ寿司CMのワンフレーズです。どちらも今年、日本のTikTokで突如ブームになりました。このように、TikTokきっかけで過去の曲のワンフレーズがSNSミーム化し、リバイバルヒットする現象が数多く起こった2020年でした。
「アイテム」部門 ~コロナ禍ならではの需要と異常なコスパ~
1位はダイソーのコスメ商品「UR GLAM」となりました。100円とは思えないクオリティの高さが異常だと話題になり、バリエーションが豊富なことから、YouTuberによる「縛りメイク」動画も急増しました。
2位の「フェイスシールド」は、体育祭のコーディネートの一部として流行。「あべのますく」以上にデコレーションの自由度が高いと、人気を博しました。
4位は「無印の水」、5位は「無印ドリンク」と、無印良品ブランドが2つランクインしました。「無印の水」は、ボトルが小さく、バッグに入れやすいと人気に。「無印ドリンク」は、単色のシンプルなデザインで、カラーバリエーションが豊富だったことから、好きなアイドルやキャラクターの担当カラー「推し色」で買えると、オタクな10代の消費欲を刺激しました。
「スポット」部門 ~抽選方式や高価格設定による特別感~
1位は、9月28日にオープンした東京ディズニーランドの「美女と野獣エリア」です。入場は抽選方式ですが、それが特別感を増し、Instagramの短尺動画機能「リール」が8月に実装されたタイミングと相まって、Instagramのおすすめ欄で見かけたという声が多数でした。
2位は「あつ森花火大会」がランクイン。夏の風物詩である花火大会が軒並み中止となる中、「あつまれ どうぶつの森」ゲーム内で浴衣をデザインし、友達と一緒にバーチャル花火を楽しむという、コロナ禍ならではのトレンドスポットが誕生しました。
4位は「渋谷スカイ」、5位は「渋谷スクランブルスクエア」と、渋谷の新ランドマークがランクイン。「渋谷スカイ」の展望台チケットは決して安価ではありませんが、近場で味わえる贅沢体験=「ステイケーション」として、おでかけ欲求を発散したい10代に人気となりました。昼から夜まで滞在し、様々な時間帯に、様々なロケーションで撮影した写真をSNSに投稿するのが流行中です。
※SNSでのUGC数やフォロワー数、再生回数は11月17日時点のものです。
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