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「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」の受賞セレモニーが開催、プロ車いすテニス選手の【小田凱人】や「ダウ90000」主宰の【蓮見翔】らが登壇
世界を変革する未来のイノベーターの発掘を目指して、30歳未満の30人を選出する「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN 2023」。その受賞セレモニーが8月25日、東京・原宿で行われました。
「30 UNDER 30」は、『Forbes』US版が2011年にスタートさせました。毎年、世界を変革する未来のイノベーターを発掘し、若き変革者を表彰してきました。第6回目となる今回は特別版で、受賞者が30人から120人に拡大されました。ENTERTAINMENT & SPORTS部門、ART & STYLE & SOCIAL部門、BUSINESS & FINANCE & IMPACT部門、SCIENCE & TECHNOLOGY & LOCAL部門の4つから、それぞれ30人が選出されました。
セレモニーの冒頭では、Forbes JAPANの編集長である藤吉雅春さんが、「30 UNDER 30」が過去の業績を称えるものではなく、未来を変える人々を称える賞であることを説明しました。工芸分野においてMUFG特別賞を受賞した株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ経営企画部部長チーフ・コーポレートブランディング・オフィサーの飾森亜樹子さんは、「工芸に関わるエコシステム全体を支援していきたい。そのためには工芸品を使う側の意識改革も大切。工芸に関わる次世代を支援し、工芸を応援するサポーターを増やしたい」とMUFG特別賞の狙いを語りました。
そして、MUFG特別賞を受賞したガラス作家の田中里姫さん、金属工芸作家の外山和洋さん、硝漆作家の藤田和さんが登壇し、それぞれトロフィーを受け取りました。
田中さんは「工芸という特殊なジャンルの中でも特殊なガラス作家である私にこの賞を頂けたことに感動しています」と述べ、外山さんは「工芸に興味のない方もいると思いますが、そんな方にも面白がってもらえる作品を作っていきたい」と語りました。藤田さんは「まさか経済誌からお声がけいただけるとは思わず、驚きと嬉しい気持ちでいっぱいです。今回の受賞で若い世代にも工芸に対して興味を持ってもらえるよう頑張っていきたい」と喜びを表明しました。
MUFG特別賞受賞者によるトークセッションも行われました。彼らは創作の原動力について尋ねられ、「私とガラスの関係性から生まれる何か。それを追求していくのが原動力」(田中さん)、「自分の好きな博物館や美術館に作品が所蔵されるような作品を作り、若い人たちにも楽しんでもらいたいという気持ち」(外山さん)、「ほかの素材と組み合わせた時に作品が見せる表現や表情を見つけたとき」とそれぞれの創作の源泉を語りました。また、東京藝術大学名誉教授の秋元雄史さんは工芸の未来について、「伝統的な工芸を新しい価値観や感性で表現し、新たな価値を生み出すことが重要。古いものと新しい感覚を融合させ、技術を継承していくことが望ましい」との見解を述べました。
そして、「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN 2023」の受賞者が発表されました。ENTERTAINMENT & SPORTS部門からは、8人組コントユニット「ダウ90000」主宰の蓮見翔さん、ミュージシャンのKroiさん、プロ車いすテニス選手の小田凱人さんが登壇しました。
蓮見さんはトロフィーを受け取りながら、「これまでコントと演劇の両方をやっていることに関して不格好な感じがすると思っていたけれど、この度の受賞で自分が歩んできた道を評価していただいたようで嬉しいです」と喜びを表しました。トロフィーを受け取ったKroiさんの内田怜央さんは「このような素敵な賞を頂けて超Happyです。私たちは『世界を変えたい』という思いを持ちながら、斬新な表現を追求しています。これからも新しいアイデアを皆さんに提供して、ワクチンのように新しい刺激を届けたいです」と宣言しました。トロフィーを受け取った小田さんは「“世界を変える”という言葉が賞に込められていて、とても嬉しいです。プロ車いすテニス選手として最年少記録を更新したり、車いすでこのような場に来ること自体が奇跡的でした。これからもチャレンジを続けて、世界に変化をもたらす選手になりたいです」という意気込みを語りました。
ART & STYLE & SOCIAL部門からは、モデルで文筆家のシャララジマさんが登壇し、トロフィーを受け取りました。「私の活動は形のあるものではなく、自分の考え方やマイノリティ性を活かしたものです。目に見えないけれど大切なものがあると信じてきたので、そのような活動を評価していただけたことが嬉しいです」とコメントしました。
BUSINESS & FINANCE & IMPACT部門からは、株式会社PoliPoliのCEOである伊藤和真さんが登壇し、「PoliPoliは創業して5年半経ちますが、最初の2、3年はなかなか広がらず大変でした。今回120人が受賞されたと聞いていますが、皆さんはこれまで大変な努力をして受賞をされたと思うので、それも含めて自分のことのように嬉しく思っています」と挨拶しました。
SCIENCE & TECHNOLOGY & LOCAL部門からは、ウェアラブルエージェントクリエイターでメカエンジニアのきゅんくんさんが登壇し、「中学時代に私は自分のジェンダーアイデンティティーや性指向に悩んでいました。しかし大学生の頃に世界が変わってきたことを実感しました。世界は変わっていくと信じています。そのような変化を感じたことがあり、これからも世界は変わっていくと思います」と語りました。
トークセッションでは、「わたしを支える人と夢」というテーマで話が進みました。蓮見さんは、自分を支える人を「メンバー」とし、夢は「有名な作品を世に残すこと」だと語りました。内田さんは、自分を支える人を「仕事仲間」とし、夢は「作品が自分のいなくなった後も人々に愛されること」だと述べました。
小田さんは、「3年後の自分」が自分を支えていると語り、「プロ車いすテニスは、自分に勝たないと相手にも勝利をおさめることができないメンタルスポーツです。将来のビジョンが大切です。今後も頑張って世界を変える選手になりたいです」と意気込みを語りました。
シャララジマさんは、「私の支えは、女手一つで育ててくれた母、インスピレーションをくれる夫、音楽と芸術、そして私の活動を支えてくれるカルチャーです」と述べました。伊藤さんは「会社のメンバーたちが私を支えています」と語り、きゅんくんさんは「子供の頃の自分」が彼の支えであると語りました。
また、ラッパーのちゃんみなさんからはビデオメッセージが届きました。「私を支えてくれているのは、純粋で夢を追いかける幼い頃の自分です。大きな目標は、私の存在が日本や世界の人々をもっと仲良くさせることだと言ってもらえるような存在になることです」とメッセージを寄せました。
質疑応答のセッションでは、子供たちに向けてのアドバイスが求められました。蓮見さんは、「自分の好きなことに出会うのはいつかわからないので、多くのことに興味を持ってリラックスして過ごすことが大切です」と述べ、内田さんは、「自分には夢や目標がなくても、自信を持ってほしい」とアドバイスしました。小田さんは「9歳の時に病気を経験し、それを克服してテニスの世界で成功した経験から、何とかなるという信念を持つことが大事です」と語りました。
シャララジマさんは、「自分の状況に合った未来を選択してほしい」とアドバイスし、伊藤さんは「一歩踏み出すことの大切さを伝えたい」と話しました。きゅんくんさんは、「テクノロジーの進化によって、新しいことに挑戦する機会が増えています。何かやりたいことがある人は、AIなどのテクノロジーを積極的に活用してみることをおすすめします」とアドバイスしました。