【南條ひかる】インタビュー前編:バトルアスリーテス大運動会 ReSTART! で声優デビュー

2021年4月10日から放送開始のテレビアニメ「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」のパリア・レスピーギ役でデビューする新人声優の南條ひかるさんにHiRToがインタビューを実施。前編・後編に渡り南條さんの魅力に迫る。

前編では「デビューのきっかけ」「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!とパリア・レスピーギについて」「声優としてやっていきたいこと」「趣味や休日の過ごし方」について詳しく掘り下げていく。

【デビューのきっかけ】

――デビューは自分の中でもすごく嬉しかったと思いますが今どんな気持ちですか?

南條ひかる(以下南條) 正直こんなこと言うと怒られてしまうかもしれないけど、実感がまだないですね。世にまだ名前が出ていないのと映像としてまだ色もついて声も付いたものは見ていないので。 

――これからですもんね。

南條 これからだなって思って、初めて役をいただいた時には嬉しいよりも頑張ろう!スンっ!って感じです(笑)

―― 背筋が張った感じなんですね。

南條 有名な素晴らしい先輩の方々と一緒にやらせていただくのでやっぱり自分もしっかりしないと、と思って……。

―― 決まったと同時に緊張感とプロ意識が一気に芽生えた感じですか?

南條 そうですね。自分はプロだって思って日頃過ごしている時も思っているんですけど、尚更足を引っ張っちゃいけないと思って、皆さんと一緒にやらせて頂くこの機会に感謝しながら頑張っていこうという決心をしました。

―― いいですねフレッシュで。ちなみにデビューを目指したきっかけって何かあったんですか?

南條 正直言うと……あまり覚えていないんです。

いつのまにか演技が好きになって「アニメが好きなのかな」ってずっと見てた時期があったんですけど「いやこれ違うな」と思い「私そっち(声優)に行きたいんだ!」と。

演劇部だった中学の時に気づいて、高校生くらいに「やっぱりなりたい」って思って両親に相談したところ、一回も否定せず「わかりました。とりあえず行ってみなさい」と言ってもらって、そこから養成所に通って、中々芽が出なかったので「どうしようかな?」って考えた時に今のクレール事務所のオーディションに応募して拾っていただいて……。

―― 声優になろうと思った時はどういう練習をされたんですか?

南條 基本的にはまねっこから始めましたね。

―― 色んな声優さんの声を耳で聞いて同じ声出せるかなって感じですか?

南條 有名声優さんの方々のボイスサンプルはこの人かな?あのひとかな?というのは一通り聞いて声質とか、全部まねしたものを一度自分で録って、あれなんでこれだけ似せてるのに違うんだろう?というその差を見つけようと練習しています。

―― 声優さんってただ単に声だけじゃなくて、実際演技もしながら声を出したりもあるじゃないですか。舞台もそうですし、声を入れるだけでも感情や動作も含めて、そのシーンを表現すると思いますが、難しい部分もあったと思いますがどういう風にクリアしていったんですか?

南條 私は、一回悩んで、舞台に行こうとしたことがあったんですけど、見ていただいた通り身長が(笑)

―― いやーかわいいですよ。

南條 今回の『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』のパリアや他の作品でもアフレコやらせていただいた時にフッとキャラクターと自分がフィットする時があって「景色が広がる」じゃないですけど、自分も一緒に動いている気分にはなったりもするので、もちろん実力不足や技術不足、経験の浅さは否めないんですけど……そこで「今こうしたいのかな」

「今こう思ってるんだ」という気持ちが演じてて生まれることがあって。でもそれって自分が演技をしているからってだけではなくて一緒に共演していただいてる方が「引っ張っていってくれてる!」というのがわかるので「こう返されたからこうしたい!」というキャッチボールが今回の大運動会の時、アフレコの時に感じてそこから「こうなのかな……?」って若干つかめた気がします。

―― 南條さんのボイスサンプルを聞いてると同一人物なの!?って思うくらい声域の幅が広くてレベルが高いです

南條 そう言っていただけると(笑)

―― 僕はクールが変わると全アニメ視聴してる男なんで(笑)声優さんの声も聴いてますけど、凄いはまってるなって気がします。

南條 ありがとうございます。

―― 本当にかわいい人から、大人っぽい感じの声域までされてるのが「この人なんだ」とびっくりすると思いますよ。

南條 そう言っていただけると嬉しいです。新人なんでまだ粗削りなところは多々あると思うんですけど。音域はまだまだ広げたい。もっともっと広げてボイストレーニングも行って完成度を高めていきたいです。

【 出演作品「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」について】

―― 今回の出演作品「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」について、作品の簡単な紹介をお願いします。 

南條 ReSTART! と書いて再スタート。再び始まるって意味の通り、前作の未来の話です。リアルタイムで前作をご覧になっていた方もいらっしゃると思うんで、そういった方は既視感のあるシーンがいくつか作品の中であると思います。

―― なるほど。世界最高のスポーツアスリートが集う「大運動会」を目指すスポ根ストーリーの続編ということですね。

南條 これから見ていただいて、気になって「振り返って前作見てみよう」と思える様な作品を作っていけたらなって思うんですけど、前作でご存じの方もいると思うんですけど、それぞれの惑星から一人ずつ女の子が代表で集まってきて、“宇宙撫子”と書いて“コスモビューティー”という全人類の少女の憧れになるためにみんなが集まってきて、そこで自分たちの譲れない夢や目標をかなえるために女の子たちがバチバチに戦うんです。

―― 大運動会だから、殺伐というより、楽しそうなイメージがあります。作品の内容としてはシビアなシーンもあったりするんですね。

南條 前作に引き続き厳しいシーンがあったり、苦しいシーンがあったりすると思うんですけど、そういう時に助けてくれるのは…だよねという(笑)

あまり深くは言えませんが……。

【パリア・レスピーギ役について】

―― 役柄のパリア・レスピーギについて、今日も服がパリアさんの役と合ってますね。意識してくれてるんだなって(笑)

南條 意識して変えました(笑)

―― ステキ!そういう風にしてくれると嬉しいですよ。

南條 ありがとうございます!

―― キャラクターの紹介をお願いします。

南條 パリア・レスピーギは多分、この作品の中では比較的、体が大きめ、おしりも胸も。少女というより本当に女性的というか大人な感じのキャラクターなんですが、僕っ子なんですね。プラスそこにお医者さんなので頭脳明晰です。

―― 医者の顔も持つ、天才少女!

南條 お医者さんなので情報過多というかギャップの塊みたいなんですよ。「僕」って自分のこと言うんですけど、他の子と、考え方や見方がすこし違うから、他のキャラクターたちとはまた違った場面で活躍するんです。お楽しみに(笑)

―― 今回この役を勝ち取った時は使命感のほうが強かったと伺ってますけど演じてみてどうですか?

南條 ものすごく難しかったです。

―― どういうところが?

南條 先程キャラクターの説明をした通りすごいグラマラスな体系なので、お姉さんっぽいのかな?と思ってそういった役作りで持っていったところ「僕っ子」のほうに近づけてくださいと言われて

―― なるほど。現場で言われるとキツイですよね?

南條 これが噂に聞く……「キターっ!」と思って(笑)

―― せっかく作って持って行ったのに(笑)

南條 その時リモートだったので「わかりました」と言って椅子に座って「どうしようかな」と考えて「自分の中の少年降りてこい!」と(笑)

少年チックな声でやらせていただいた時に「それで」ってオッケーを頂いたのでただその声をキープするのがものすごく難しかったですね。

―― 最初にそういう指示に即対応できたのは日頃からそういう練習をしてたってことですね。

南條 そうですね。ありがたい事に日頃色んなキャラクターをお仕事でいただけるので。鍛えさせていただきました。

―― 凄いですね。

南條 ずっと無茶ぶりしかされてなかったですから(笑)

―― キープが難しい声をずっとやり続けるのはレベルが上がりますよね。苦手なところをやってたというのは。

南條 ずっと録音してましたね。少し空くと「あれ?」と不安になったり、なのでこの収録期間中は全然気が抜けなかったです。

―― 自分の声を聴きなおして、しっかり継続できるようにと?

南條 ずっと気を張り続けてた感じだったので、おなかが痛くなりました。

―― 声のキープはどうやって調整するんですか?

南條 声のキープは、高い音を出すときは額のあたりに響かせるイメージでやっていて、低い音を出すと胸の方……チェストボイスじゃないですけど胸の方が震えて、この震えをどこに当てるのか考えたりして、のどを広げて喋るのか、狭めて喋るのかで声の感じとか違ったりするので。

―― 全然違う!

南條 それを自分の中で覚えこませてるんですけど、パリアはもっと難しかったですね。

―― 演じた中では非常に難しい?

南條 今までの中で一番難しかったですね。

―― 難しい役を自分のものにされたのは一つの成長につながったと思いますね。

南條 はい。

―― 改めて出演作品の『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』についてプロデューサーさんからプッシュして欲しい部分はありますか?

プロデューサー キャラクターが全てオリジナルで新しいキャラクターなんですね、メインヒロインが6人いるんですけども、一人ずつどこかで好きになって欲しいと思っています。例えばパリアさんのどういうところを好きになって欲しいか、そういうところをプッシュしてもらえると嬉しいですね。

―― では南條さんがパリアさんの好き部分を教えて頂けますか?

南條 少しストーリーに入っちゃうような話なんですけど、落ち着いてて、すごく女性的なんですけど年齢相応のちょっぴり不器用なところが今後出てくるので「えー、そこ相談すればいいじゃん!」ってところを、なんでも1人でやろうとして、人に「助けて」と言えないタイプなのかなと思うんですね。そういうところもギャップの塊だなって思って。そういうところが「頑張ってるなぁ、一人で頑張ったんだね、けど駄目だったんだねっ、でもみんないるよ」というシーンが私的にはものすごく好きなんでパリア自身も一個また学んで大人になったんじゃないかというギャップですよね。ギャップがパリアの一番の魅力だと思います。

―― ありがとうございます。

【声優としてこれからやって行きたい仕事】

―― 今回の作品以外でも今後声優として「こういうことをやってみたい」とか、やっていきたい仕事はありますか?

南條 アニメにはどんどん出ていきたいなと思ってます。

―― アニメでこんなことやってみたいという要望はありますか?

南條 アニメのコメディが大好きなので、やりたいですね。

―― ギャグをやったりボケたり(笑)

南條 そうですね。個人的には強気なキャラクターが大好きです。

―― 見た雰囲気だと、かわいらしい感じなのに。ご自身の性格も強気なんですか(笑)

南條 強いです(笑)

―― そうなんですね。

南條 なので生意気な子とか、一癖ある子だと燃えます(笑)

―― ピンとくるなぁみたいな(笑)

得意分野やジャンルを形成していくのはいい事だと思います。

南條 そうですね。あとはこういうご時世ということもあって、現場一緒にさせていただいた方とも中々お話することが出来ないのでラジオをやったりしたいですね。色んな方とお話ししたり、わちゃわちゃしたりできる範囲でいいんで。難しいかもしれないですが。

―― 声域がすごい広いんで、アニメの時の声と、ナレーションの時の声が全然違って。レベルが高いと思います。

南條 ありがとうございます。

―― ボイスアクターの方々はアプリなど仕事の幅が広がってるので、これだけ反応が違うってことが求められてると思います。これから色んなお仕事で頑張っていかれることを期待してます。

南條 頑張ります。

【趣味について】

―― ちなみに趣味はありますか?

南條 基本的にお外に出ていたいタイプで、アウトドアです。

―― 印象が違いますね。

南條 本当ですか?

―― アウトドアはどんなことを?

南條 親友と一緒に47都道府県全部まわろうという企画を自分たちでしてまして、今このご時世でできないんですが「全部回ったら自慢できるよね」と実施してます。今のところ残り40県(笑)

――まだ7県なんですね(笑)残り40県かぁ、友情がどれだけ続くのか(笑)

南條 ずっと一緒にやろうねって(笑)

―― 大きな目標を持つのはいいですね。

南條 裏切りなしだぞ!と(笑)

―― 観光地に行ったり、ぶらぶらするのがお好きですか?

南條 大好きですね。「ずっと動いて、何か食べて」を繰り返してます。

―― おいしいものを食べに行くって幸せですよね。

南條 幸せなんですよ。

―― 声優さんは辛いもの食べるのはどうかな?と思いますが、ケアはどうされてますか?

南條 私、辛い物食べるとおなか痛くなっちゃうんです。

―― 基本は食べないんですね。

南條 ちょっとだけ(笑)

―― 一応ケアはしながらそういう風にしていると。

南條 マックのシャカシャカチキンのレッドペッパーは食べれます(笑)

―― それはいいんですね。事務所からこれ食べちゃダメとかNGはありますか?

マネージャー 特にないですね。

南條 好き勝手食べます(笑)

マネージャー ゲテモノ食べる時は言ってくれれば(笑)

―― 体を壊したら元も子もないですからね。

マネージャー ゲテモノめっちゃ好きだと思われちゃうと(笑)

南條 ちょっとイメージが(笑)

―― 既にイメージとのギャップは少しあるなと思いますので…アクティブな南條さんが出てるなと思います。

南條 ありがとうございます。

【休日の過ごし方】

―― 今コロナで外歩きしにくいですが、休日はどう過ごされてますか?

南條 休日は基本的に原宿にいますね。

―― 原宿がお好き?

南條 大好きです!

―― 原宿のどういったところが好きですか?

南條 街並みも大好きですし色んな人見て「こういう服着てるんだな」とか、「こういうの今はやっている」というのを見て「自分身長小さいけどチャレンジしてみようかな」という気持ちになったり、行きつけのガレット屋さんがあって「元気?」って言いに行ったり…

―― 雰囲気が好きなんですね?

南條 そうですね。

―― 町とあってる気がします。

南條 やったー嬉しい。原宿系で売っていこうと思います。

―― 南條さんの出身はどこですか?

南條 千葉です。

―― 千葉なんですね、原宿は小さい時憧れました?

南條 怖かったです。こう見えて中学高校までは引きこもってて。ずっと家でアニメ見たり漫画見てたりするタイプだったので、今の事務所に入って、何かがパーンってはじけちゃったんだと思います。

―― いいはじけ方ですよね。

南條 原宿好きの陰キャで(笑)

―― 原宿の魅力って何ですか?

南條 カラフルなところです。歩く人たちが自分の個性が強くて。私、正直「自分の個性がないな」と思うんです。

―― どうしてでしょう?

南條 「何が好きなの?」と聞かれた時に答えられないことが多かったんですね。

―― 今まで?

南條 例えばマネージャーさんに「こういう服着て」と言われたら簡単に「はいそうします」って言えちゃうタイプ。スポンジみたいな感じで何でも吸収しちゃう。それがコンプレックスでした。「自分って空っぽなんじゃないか」と思って…

―― 反対にそうなっちゃったんですかね。

南條 そういう人間だったからこそ、個性あふれる原宿に憧れから入って、実際、自分で「着てみようかな」とチャレンジして好きになっていきました。

―― 楽しくなったんですね。原宿は「自分自身の個性を出してもいいんだ」と自己主張しやすい街というか、否定されず肯定される街ということですかね。

南條 本当にその通りですね。こんな分厚い靴はいてる人がいて「変だけどこれがこの人なんだという印象がつけられたら勝ちだよなー」と思って。「私それないな」と思い「これからどんどんつけていこう」と考えました。

―― 自分と相性が合う町、気持ちがポジティブになれる空間があるのはいいですね。

南條 いいですね。

(インタビュアー:山口義徳)

<プロフィール>
南條ひかる(なんじょう・ひかる)

声優。千葉県出身。身長145cmながら幅の広い声色を使い分けて様々な役を演じる。アニメ「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」のパリア・レスピーギ役で出演。他にもアニメ「女神寮の寮母くん。」の香炉野すてあ役や劇場アニメ「マロナの幻想的な物語り」のイシュトヴァンの妻役など。特技はセミの鳴きまね。趣味は原宿散策。

バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!

©AICライツ/太陽系管理委員会

2021年4月10日(土)深夜1:30 テレビ朝日系24局ネット NUMAnimation枠で放送開始!Amazon Prime Videoで見逃し配信/BSフジ、CSテレ朝チャンネル1でも放送

「共演してみたい声優」「アニメ化して欲しい作品」「洋画の吹き替え」「練習方法やオーディションについて」「あなたにとってのヒーロー」を聞いたインタビュー後編は後日アップ予定。お楽しみに!

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