【吉田美月喜】「あえてトリートメントをせず、髪のパサつきを出すように」映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』インタビュー

2026年1月16日(金)、注目の映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』が新宿ピカデリー他、全国で公開されます。第28回松本清張賞を満場一致で受賞した、当時弱冠21歳の大学生だった波木銅さんによる話題の青春小説が原作。ラッパーを夢見る朴秀美、陸上部のエースでスクールカースト上位の矢口美流紅、そして漫画に詳しい毒舌キャラの岩隈真子という、一見バラバラな3人の女子高生が、未来が見えないどん詰まりの日常を打破するために「禁断の課外活動」を始めるという、痛快で少し危険な青春エンターテインメントです。閉塞感のある日常を吹き飛ばすような、疾走感あふれる物語がスクリーンに登場します。

豪華キャストが集結! 新時代の青春映画を彩る俳優陣

本作でW主演を務めるのは、南沙良(みなみ・さら)さんと出口夏希(でぐち・なつき)さん。今最も旬な若手俳優の二人が、それぞれ鬱屈とした日々を送る朴秀美(ぼく・ひでみ)と、社交的ながらも問題を抱える矢口美流紅(やぐち・みるく)を演じます。

そして、この二人と共に「禁断の課外活動」に足を踏み入れる岩隈真子(いわくま・まこ)を演じるのが、吉田美月喜(よしだみづき)さんです。

2003年生まれ、東京都出身の吉田さんは、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動し、『あつい胸さわぎ』、『カムイのうた』などに出演。若手実力派としての地位を確立しました。劇場アニメ『ルックバック』での等身大の好演も記憶に新しく、2026年には海外映画初出演作『KARATEKA』のスペイン公開も控えている、今映画界が最も期待する俳優の一人です。

さらに、岩隈の後輩で漫画オタクの藤木漢(ふじき・かん)役には羽村仁成(はむら・じんせい)さん、地元のラッパー・佐藤役には金子大地(かねこ・だいち)さん、同じくラッパーのジャッキー役には黒崎煌代(くろさき・こうだい)さんと、個性豊かなキャストが集結。監督は『猿楽町で会いましょう』の児山隆さんが務め、音楽はDos Monosの荘子itさん、主題歌はNIKO NIKO TAN TANの書き下ろし楽曲「Stranger」が映画を彩ります。

今回は、主要キャストの一人である吉田美月喜さんに、これまでにない役柄への挑戦や、同世代のキャストとの撮影秘話について、たっぷりと語っていただきました。

あえて髪のトリートメントをしない? 徹底した役作り

――本作は、高校生が禁断の課外活動を行うという衝撃的な内容ですが、オファーを受けた際は率直にどのように感じましたか。

出演が決まった時は、まだ岩隈のキャラクターがつかめていない部分もあったのですが、今までに演じたことのないキャラクターに、プレッシャーとワクワク感がありました。原作を読んで、疾走感やパンチの利いたストーリーがすごく自分の中で引っかかり、オファーをいただけてシンプルに嬉しかったです。

――児山監督がキャスティング理由について「吉田さんの中にキラキラした部分と、鬱屈した所も持ち合わせているように思い、岩隈の属性に合っていると感じた」とお話されています。

私の自己分析ではありますが、内面がキラキラしているというよりは、陰の要素も持っていると思っていて、そういった部分で岩隈に通ずる部分があるということは監督ともお話させていただきました。

――児山監督ご自身の青春時代の思いが詰まっている作品ですが、ご一緒されてみていかがでしたか。

まず、岩隈という役に出会わせてくださったことに感謝しています。現場でも監督が誰よりも撮影を楽しんでくださって、そんな姿を見て私も安心できましたし、チャレンジがしやすい空気感がありました。今の時代にかなり挑戦的なことに取り組む姿勢もかっこいいと思いますし、尊敬しています。

――岩隈の役作りをする上で、こだわった部分はありますか。

岩隈は3人の中では一番陰の要素が強いキャラクターだと思ったので、ちょっと猫背にしてみたり、声を低めにする、会話する時に人の目をみつめない、というのは岩隈の特徴として意識しました。外見的な部分だと、垢抜けていない感じを出したかったので、撮影期間中は「あえてトリートメントをせず、髪のパサつきを出すようにしていました」

同世代キャストとの化学反応と、海外での反響

――南沙良さんや出口夏希さん、同世代のキャストが集まる現場はいかがでしたか。

3人とも現場での過ごし方は三者三様でしたが、それが居心地が良く、楽しかったです。南さんは主演としての安定感がありながら、日常に溶け込むアドリブが上手で、出口さんは陽の瞬発力がすごく強い方。それが作品全体を引っ張る力になっていました。アドリブや瞬発力は、キャラクターのことを深く理解していないとできないことなので、そういった部分は尊敬しましたし、刺激になりました。

――岩隈の後輩、藤木を演じた羽村仁成さんとのやり取りも印象的でした。

岩隈が唯一一対一で関わる男の子が藤木だったので、朴秀美と美流紅と一緒にいる時とはまた違う雰囲気を作り出したいという思いはありました。羽村さんは真っ白な純粋さをもっている方なので、演技自体にもその素直さが表れているなと感じました。また是非ご一緒したい俳優さんです。

――朴、美流紅、岩隈が海辺で夢を語るシーンの撮影エピソードがあれば教えてください。

3人でいる時の岩隈は流されやすいというか、あまり大きな動きはせず、嫌だ嫌だと言いながら渋々ついていくような感じなので、あのシーンの発信源は朴秀美と美流紅だったと思っていて。2人に引っ張られて少しずつ動きが増えていく感覚でした。私もこのシーンがすごく好きで、「3人のお芝居のぶつかり合いが見られる場面」だと思っています。

――それぞれのキャラクターを象徴する衣装も印象的でした。

素敵ですよね。岩隈も衣装にこだわってくださって、ダサかっこいい絶妙なラインを狙い、衣装合わせには結構時間をかけました。

――本作で、初の海外映画祭となる釜山国際映画祭にも参加されましたが、海外の方の反応を直に感じられていかがでしたか。

エンタメは国を超えると改めて思いました。私たち自身も撮影現場でクスっと笑ってしまったシーンで実際に笑いが起こったり、作品として見せたい部分が、ちゃんと伝わっているという安心感がありましたし、「人間の感性は世界共通なんだなと思いました」

――釜山の滞在中に観光はされましたか。

時間がなくてあまり観光はできませんでした。今回韓国に初訪問しましたが、とても素敵な場所で、現地の皆さんも本当に優しくて、是非次回はプライベートで行ってみたいです!

これまでにない役柄に体当たりで挑んだ吉田さん。その等身大の姿と熱い想いが、スクリーンを通して観る者の心に強く響くはずです。閉塞感漂う現代に風穴を開ける、彼女たちの「万事快調」な青春を、ぜひ劇場で目撃してください。

映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』は2026年1月16日(金)新宿ピカデリー他全国公開予定です。

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