【吉田兄弟】<吉田健一さんインタビュー第1弾>津軽三味線との出会い、兄とのユニット結成秘話、注目を浴びたキッカケや活躍する為の努力

【表舞台で活躍する為に努力してきたこと

―― そして先ほど言って頂いたことと被ってしまうかもしれませんが、表舞台で活躍するために努力をしてきたことというのは、やはり日々触り続ける事なのでしょうか?

吉田 それが大前提で、あとはやっぱり高校卒業した時に兄貴の方が2年先に東京に出ていたんですね。兄は浅草にある『追分』という民謡酒場があってそこで修行していたんですよ。それが最初に個性が生まれた時なんですけれども。三味線で食べて生活していくのっていうのは、奏者一本で食べていくかもしくは民謡の伴奏者として唄い手さんがいて、本当に縁の下の力持ちでやっていくかなんです。でも唄付けというのがちゃんとできないと1人前じゃないという考え方が今でもあるんです。だから三味線だけギャンギャンギャンギャン弾くというのはそれは違うと。ちゃんと歌付けが、伴奏ができて一人前だと。元々伴奏楽器なので。でも今は逆にそういう人が少ないんですけれども。ただ1発で分かります民謡をやっているかやっていないかというのは。

―― 分かるものですか?

吉田 すぐに分かります。

―― 全然違うんですか?

吉田 弾き方がうるさいので、三味線だけやっている人は。強弱がないんですよ。ただ弾けばいいというそういった唄付けをしていない子はだいたいそういう奏者なんです。でも兄貴はそこ(追分)に行って唄とずっと一緒にやってきたからやっぱりメロディアスなものが好きで、あとは北海道の自然を題材にしたものを曲にしたりとかなんですけれども、僕はやっぱり普段聞いていたものがJ-POP とかロックとかばっかりだったので、そういうものがないんですよね。しかも伴奏があまり好きではなくて(笑)

―― (笑)個性が分かれますよね。

吉田 はっきりですね(笑)それで兄貴が東京に行っているから、東京は結構唄い手さんがいるんですよ。北海道っていないんですよ唄い手さんが。そもそも勉強できないんですよ、唄付けの。だから器楽として楽器を何か見本にしていかないと生活がそもそも成り立たない。やっぱり高校卒業してそんなに順風満帆に仕事が入ってこないので普通にバイトをセブンイレブンでしながらやっていたんですけれども。その中で他とセッションするという、挑戦として。 そこから何か見つけようということでパーカッションとのセッションを始めたんです。初めてそこで作曲をして、今までは津軽じょんがら節とかを作っていたんですけれども全然違うオリジナルを作るということにすごい興味が向いて。やっぱり三味線って津軽じょんがら節とかってみなさん多分聞いたことあると思うんですけれどもメロディーが出てこないじゃないですか。メロディーが出てこないということは多分覚えられていないんですよ。やっぱり覚えてもらうためには口ずさめるようなメロディアスな場所があれば、それってサビですよね。サビがあれば覚えてもらえるので、じゃあサビを作ろうと思って、それでサビを作ってそこからソロにいってみるとかその作曲の挑戦を始めたのがその時だったんですね。そしたらお客さんの反応が圧倒的に変わったんです。

―― そんなに違うものなんですね。

吉田 もう縦の動きで、このノリに三味線をはめていくという、民謡を。そしたらお客さんの反応も全く変わったので。

―― それでこれはいけるなと?

吉田 これは1つの器楽としての表現では絶対に必要だなってことを、なかなか生活がうまく回らない時期に1個考えて生み出したところだったんですね。ないものを作りたいという風に思ってできたものなんです。

―― そういうきっかけが1つ転機になったということですね。

第2弾は近日アップしますのでお楽しみに!

吉田兄弟Yoshida Brothers
吉田 良一郎 / 吉田 健一
2019年、デビュー20周年を迎えた、津軽三味線の第一人者、吉田兄弟。
北海道登別市出身。ともに5歳より三味線を習い始め、1990年より津軽三味線奏者初代佐々木孝に師事。
津軽三味線の全国大会で頭角を現し、1999年アルバム「いぶき」でメジャーデビュー。邦楽界では異例のヒットを記録し、現在まで15枚のアルバム他を発表。2003年の全米デビュー以降、世界各国での演奏活動や、国内外問わず様々なアーティストとのコラボレーションも積極的に行っている。

2015年には「連載完結記念NARUTO-ナルト-展」とコラボした楽曲「PRANA」がリリースされ大きな話題となった。また、良一郎は代表的な和楽器による学校公演を中心とした新・純邦楽ユニット『WASABI』を始動させ、健一は平成27年度文化庁文化交流使としてスペイン・バルセロナに滞在し活動したことをきっかけに、現在もバルセロナ高等音楽院で津軽三味線講義を毎年行っている。

2017年は映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』日本語吹替え版主題歌として「While My Guitar Gently Weeps」で参加。また、2000万回再生を誇るレッドブル・アスリート、ジェイソン・ポールによるパルクール映像のBGM「Cool Spiral」を提供、配信。

2019年は世界10か国でレッスンと世界大会予選を行い、聖地秋葉原の神田明神ホールで世界大会決勝を開催したヲタ芸/サイリウムダンスの世界大会に、” 吉田兄弟×Tom-H@ck CYALUME DANCE WORLD BATTLE テーマソング「雷 –IKAZUCHI-」を提供、配信。『東京2020オリンピック1年前セレモニー ”1Year to Go! ” 』ではオープニングパフォーマンスを努めた。
同年、日本の有名クリエイターが「和」をテーマに世界に向かって創り上げる『GIBIATE(ジビエート)』プロジェクトへの参画が決定。
2020年7月から放送を開始する同プロジェクトのアニメオープニングテーマ曲「GIBIATE」を、LUNA SEAやX JAPANのギタリストとして活躍するSUGIZO氏と共同制作し発表した。

そして本年、デビュー20周年記念アルバム「THE YOSHIDA BROTHERS」を発売。
世界に通用する唯一無二の津軽三味線アーティストとして、日本伝統芸能の枠を超え、幅広い活躍が期待されている。
吉田兄弟公式サイトより

●公式サイト:https://yoshida-brothers.jp/
●公式Twitter:https://twitter.com/yoshida_kyodai
●公式Facebook:https://www.facebook.com/yoshidakyodai/
●公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCUVU9mLhE3B139hJ9z6EFlQ

●吉田健一さんTwitter:https://twitter.com/kenichi_shami

(インタビュアー:山口義徳)

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