映画『色の街』主演 兼 プロデューサー【黒澤優介】インタビュー(後編) マルチに大活躍する、あの俳優のようになりたい

Amazonプライム・ビデオで配信中の映画「色の街」。同作品の主演 兼 プロデューサーを務める黒澤優介さんのオリジナルインタビューの後編を公開。

後編となる今回は、黒澤優介さんのパーソナルな部分にフォーカス。俳優を目指したきっかけや、自身にとってのヒーローは誰か、など、たっぷり語っていただいた。

記事の最後には、自己紹介動画も掲載。ぜひ最後までお読みください。

※インタビュー前編はこちら ⇒ 映画『色の街』主演 兼 プロデューサー【黒澤優介】インタビュー(前編) 早稲田演劇出身の若手達が作り上げた青春短編映画

自分を勇気づけてくれたエンターテインメントへ恩返しをしたい

―― 俳優を目指したきっかけを教えて下さい。

黒澤 中学2年生の時ヘルニアを患い、下半身が麻痺してしまい、1年間ほど車椅子の生活を送った経験がありました。
お医者さんには「もしかしたら一生、車椅子生活かもしれない」と言われ、
非常にショックを受け、落ち込みました。

幸いなことにまだ若かったこともあって、リハビリを頑張って、今ではもう、普通に走ったり運動もできる位に回復したのですが、当時、落ち込んでいた時期に自分を励ましてくれたのが、ドラマや映画でした。

コメディー映画や、フジテレビの月9ドラマで「ラッキーセブン」という松本潤さん主演の作品があったのですが、このドラマには本当に励まされました。

あと、サザンオールスターズが大好きで、その当時、桑田佳祐さん自身が1年前に食道がんになり、もしかしたらもう歌えなくなるかもしれないという状況でした。
そこから復活して、紅白で見事な歌声を披露されたのを観て、とても感動して、自分も桑田さんみたいに頑張るぞと、勇気を奮い立たせました。

苦しかった時に自分を勇気づけてくれたエンターテインメントに、なにか恩返しをしたいという思いから、自分も人を楽しませるエンタメの仕事に就きたいと思いました。

―― なるほど、そうだったのですね。

黒澤 それで、自分が出来ることって何かと考えたとき、歌は下手だけれど、役者ならいけるのではないかなと思いました。
俳優はイケメンだけがなれるものでなく、個性を活かすことができれば、きっとなれるはずと考えたので。

高校時代はリハビリを兼ねてスポーツを頑張りましたが、大学生になり、よし演劇を始めようと「早稲田演劇」に新人訓練を受けて、入団しました。

入団した早稲田演劇はとても厳しかったです。
厳しい環境で鍛えられた経験があるからこそ、今ドラマの現場などで自信をもって、演技をやり切ることができるようになりました。

目指すは「マルチに活躍できる俳優」

―― これからどのような俳優になりたいですか。

黒澤 俳優では、大泉洋さんや、星野源さんに憧れています。

大泉洋さんは、バラエティーでも活躍しながら、俳優として三枚目から今は主演まで、いろいろな役柄を演じています。
星野源さんは、歌手や作家もされていて、自身が主題歌を務めた作品に出演するということもあります。
私も脚本やドラマの企画を書かせていただいているので、大泉洋さんや星野源さんみたいに、マルチに活躍できる俳優になりたいです。

―― マルチな活躍といえば、黒澤さんは現在、広告代理店で勤務しながら俳優をされていると伺いました。

黒澤 はい、そうです。
昨年TBSラジオの「たまむすび」にゲスト出演した際にもこの話をしたのですが、かなり反響がありました。「こんな働き方があるのか」と新鮮に映ったようです。

広告代理店では、アニメの企画やラジオ番組のコンテンツを考えています。
これらの仕事は、役者の演技にも脚本づくりにも通じる部分があります。まさに働きながら、同時に勉強もさせてもらっています。
周りの方に感謝して、学べることはすべて学んで、俳優活動にも脚本にも、活かしていきたいです。

―― コロナの状況で副業を推奨する企業も増えていると思いますが、黒澤さんは先んじて仕事を両立されているわけですね。

黒澤 自分が今なにをしてるのか、たまに分からなくなることもあります(笑)
さっきまで会議室にいたのに、今はカメラの前に立っている、とか(笑)

でも、新しい働き方としてみんなが自分の好きな仕事をやりながら、生活できるような環境になってほしいと思います。

―― 広告代理店での仕事をしながら俳優活動、たいへんだと思いますが、なぜやり続けられるのでしょうか。

黒澤 俳優を辞めたくない気持ちが、一番大きいと思います。
芝居が好きだという気持ち、人を楽しませたい、笑わせたいっていう気持ち。この気持ちが原動力です。

いつか自分が企画をして、本も書いて、その作品に自分が出演したい。
その作品で、今まで携わっていただいた方と一緒にお仕事ができるように頑張ります。

映画「色の街」をきっかけに、映画に劇場にまた来てほしい

―― コロナウィルスの状況下で演劇は厳しい状況だと思います。黒澤さんはこの状況をどのようにお考えでしょうか。

黒澤 自分が今までやってこられたのは、観客のみなさんがいたからこそと、思います。
小劇場だからこそ生まれるお客さんとの相互作用、今無くなってしまっていることに危機感を感じています。小劇場は、お客さんと一緒に作品をつくる場所だと思っています。

今は「Zoom」で演劇をされたりしている方もいらっしゃいますが、そのような工夫や熱意には感銘を受けます。コロナが落ち着いて平常な生活に戻ったら、お客さんに小劇場に戻って来てもらえるように、我々役者もスタッフも、何とか耐えながら今できることをして、みんなで春を迎えられたらいいなと思います。

―― HiRToの読者にメッセージをお願いします。

黒澤 自称二枚目俳優、黒澤優介です。

まだまだ埋もれている若手俳優は、大勢います。
私の記事をきっかけに、まずは小劇場に興味を持っていただき、若手俳優の芝居を観に来ていただけたら、嬉しいです。

そして映画「色の街」。
Amazonプライム・ビデオで、インディーズ映画配信ではありますが、この作品をきっかけに、映画にも興味を持っていただいて、映画ってこんなに楽しいんだ、それに誰でも作ることができるんだと、思っていただきたいです。
みなさん、ぜひ観てください。

―― 最後の質問です。黒澤優介さんにとってのヒーローは誰ですか。

黒澤 私のヒーローは星野源さんです。

マルチに活躍されている方の、まさに代表という印象ですが、星野さんが書かれたエッセイを読ませていただくと、当初は、ドラマの現場では「あぁミュージシャンの方ね」と嫌味を言われたり、逆も然りといったように、かなり苦労されたと語られています。

私も役者と代理店勤めと芸能の仕事と、掛け持ちをしていますが、これからの時代はもっとマルチに活躍する人が増えると思います。

マルチな活躍で大成功した先駆けの星野源さんを目標に、「マルチに活躍できる俳優」として、映画でもドラマでも活躍できる俳優になりたいです。

応援よろしくお願いします。

(インタビュアー:山口義徳)

俳優・黒澤優介さん 動画コメント

映画「色の街」

ラッパ屋やキャラメルボックスを輩出した早稲田大学の学生劇団「てあとろ50’」出身の森平周と黒澤優介が、映画製作に初挑戦。学生演劇をはじめ多くの小劇場で活躍する俳優が幅を広げて活動するきっかけにと製作された。
ヒロインにはフジテレビ「ワイドナショー」準レギュラーほか、CM・広告8社に出演中の矢崎希菜。また演劇倶楽部出身で現在ドラマや映画で大活躍中の小手伸也が特別出演。
製作スタッフには城西国際大学の学生らが集結。
「ありのままでいること」について過去と現在を交錯して描く青春短編映画となっている。
2021年3月20日(土)からAmazonプライム・ビデオで配信中

黒澤優介

1997年5月2日生。キャラメルボックスやラッパ屋を輩出した早稲田大学の「劇団てあとろ50′」に入団後、俳優・脚本家として活動。2018年、「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系)でドラマデビュー後、「チア☆ダン」「キワドい2人-K2-」(ともにTBS系)、「特捜9 season3」(テレビ朝日系)、「NTTドコモ」「魔剣伝説」等に出演。また昨年出演したTBSラジオ「たまむすび」にて、広告代理店で働きながら俳優活動していることを公言している。

※インタビュー前編はこちら ⇒ 映画『色の街』主演 兼 プロデューサー【黒澤優介】インタビュー(前編) 早稲田演劇出身の若手達が作り上げた青春短編映画

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