映画『色の街』主演 兼 プロデューサー【黒澤優介】インタビュー(前編) 早稲田演劇出身の若手達が作り上げた青春短編映画
早稲田演劇出身の若手らがインディーズ映画製作に初挑戦した作品、映画「色の街」が、Amazonプライム・ビデオで配信開始された。主演に加えプロデューサーも務めた、黒澤優介さんのオリジナルインタビューを、HiRToで前編・後編の2回に渡って掲載する。
前編となる今回は、映画「色の街」の見どころ・撮影中のエピソードから、コロナウィルス感染拡大による映画館公開延期、そしてAmazonプライム・ビデオでの配信に至るまでの苦労などについて語っていただいた。
映画「色の街」の見どころは
―― 映画「色の街」がAmazonプライム・ビデオで公開されました。まずは、どのような作品なのかをご紹介ください。
黒澤 私、黒澤優介が主演をさせていただいてます。
私が演じる「相田」という大学生が主人公になります。
相田は東京の私立大学に通う学生で、そこで、ある家出少年「加藤」、安慶名晃規くんという方が演じているのですが、その加藤と出会います。加藤は人探しをしていて、ひょんなところから、相田もその人探しを手伝うことになります。
物語が二部構成といいますか、過去と現代を行き来するようなパートになっています。過去のパートでは、主人公相田の高校時代にも、あるクラスメイトの女の子がいなくなってしまったという経験があります。
相田もずっとその子を探しつつ今まで生きてきたので、自分とシンクロするところがあったと感じて、加藤の人探しを手伝うことになりました。
一体、相田の高校時代に何があったのか。
そして、大学生になって加藤と出会って、どう考え方が変わっていくのか。
大学時代の撮影地は東京で、高校時代は埼玉で撮影したのですが、それぞれの場所での景色の違いであったり、登場人物の成長を描いた、そんなストーリーになっております。
―― 今回、映画の企画からいろいろやられている上、主役も演じているじゃないですか。演技も上手くやらないといけないプレッシャーはありましたか。
黒澤 芝居をそこまで固められる時間がないといいますか、今回プロデューサーもやらせていただいたので、「ロケ地取らなきゃ」「あれ手配しなきゃ」など、結構精一杯で…。
あと予算ですが、最初40万円で作ろうとしていたのですが。どんどん膨れ上がってきて100万円ぐらいになってしまって…。「機材どうしよう」とか「エキストラを変えなくちゃ」とか、「飯代が出せないよ」とか…。そんな調整ばっかりしていて、なかなか芝居、演技に集中できるっていう環境ではなかったですね。
でも、これもまた一つの経験で、普段の僕たちは、もう舞台が整ってから出させていただいてるので、このような苦労とか全然わからなかったのですが、あらためて、こんなに多くのスタッフの方に支えられているから、お芝居が出来るのだなと思いました。
裏方の仕事をしたからこそ、その苦労が自分自身にもすごい伝わりました。いつもありがとうございます、という気持ちです。
―― 映画の見どころについてお話を伺いたいんですが、主人公がヒロインの方を笑顔にさせようとするシーンがいくつかありますが、あれらのシーンは一つの見どころかなと僕は思ったのですが、いかがでしょう。
黒澤 そうです。台本には、「そのクラスメイトの女の子をどうにかして喋らせよう、そこで一発ギャグをする」と、それだけが書かれていて、監督、鬼だなぁと思って(笑)
もともと私は、早稲田演劇の出身でして、そこで「同じネタを何回もやるな」と教えられていた経験があって、そのことがすり込まれていて、今回もひたすら考えて考えました。テストやリハーサルでしたネタは、そこだけ一回きりしかやらないぞと、勝手に自分でプレッシャーを課した上で、出たネタがあれなんですけれど(笑)
―― なるほど、あれはじゃあ、ご自身で考えて。
黒澤 非常に考えて。それで絞り出したのがあれです(笑)
―― でも、やはりいろいろとチャレンジされたということが、今のお話を伺ってもよく分かりました。あと、「色」や「小道具」みたいなことにも、こだわられていたんですか。
黒澤 カメラは、過去編と現代編で分けました。
過去編は、結構、カラコレとか色みも変えたりはしましたが、ちょっとぼんやりとした映像を意識しました。それから、現代編はどちらかというと、主人公の相田が成長した姿を描きたかったので、カメラがより鮮明に映るようにしました。
あとはタバコですね。これは非常に重要なキーアイテムです。
ジッポのライターだったり、そのようなちょっとした小道具で、うまく印象付けられないかなとは、監督と話していました。